炎症性腸疾患の治療は生物学的製剤の登場で激変したもののいまなお社会的問題となっている。単一分子を標的とするだけでなく病原性メモリーリンパ球を包括的に制御するために、病原性メモリー細胞のtrafficking制御を標的とした全く新規の概念による治療の開発を目的とした。マウス病原性メモリー細胞の解析およびそのtraffic制御モデルの確立を行った。そしてナイーブT細胞移入腸炎モデルさらには病原性メモリーT細胞移入モデルにおいてもfingolimodが腸炎を抑制することを明らかにし、二次リンパ組織欠損腸炎モデルにより骨髄にリンパ球を隔離することで免疫抑制作用を発揮するという新規の機序を明らかとした。
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