本研究は申請者らが作製したHLA-DR4トランスジェニックマウスのホモ接合体が発症する潰瘍性大腸炎の原因を突き止めることを目的とする。HLA-DR4トランスジーンは第3染色体のテロメア側に、約39kb塩基長の欠落を伴い挿入されていることがわかっていた。ホモ接合体のみが大腸炎を発症するため、当該領域の両染色体からの欠落か、HLA-DR4分子の過剰な発現が本疾患発症の原因に関係すると考えられた。 前者の可能性を検討するため、CRISPR/Cas9システムを用いて同領域を欠損するマウスを作製したがこれらは大腸炎を発症しなかった。いっぽうHLA-DR4の高発現が大腸炎発症に関与することが示された。
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