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2015 年度 実施状況報告書

重症潰瘍性大腸炎に対する治療戦略-組織標的プロテオミクス解析による治療効果予測

研究課題

研究課題/領域番号 26460977
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

井上 詠  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (00232546)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード潰瘍性大腸炎 / 炎症性腸疾患 / 治療 / 再燃 / 効果予測 / 内視鏡
研究実績の概要

難治性炎症性疾患である潰瘍性大腸炎 (ulcerative colitis; UC)は特定疾患に指定されており、多くの症例は5-アミノサリチル酸製薬やステロイド治療によっては軽快するが、これらの治療に抵抗する重症例が約10%存在する。薬物療法などの内科的治療法の進歩により、重症例や難治例に対しても寛解状態が得られるようになってきている。一方で、UCの最終的な治療目標は長期に臨床的な寛解を維持することであるが、様々な治療法や臨床的因子のなかでどのような要因が長期寛解に寄与するのかは明らかとされていない。近年粘膜治癒として注目されている内視鏡的な活動性についても、どの程度の内視鏡的所見の改善が予後と関連するかも明らかでない。前年度に引き続き本年度の研究では、臨床的寛解期に内視鏡検査を施行されたUC患者を対象とし、臨床的寛解状態にある患者の内視鏡的な活動性が長期予後に影響を及ぼすか否か、さらに長期予後に関連する因子の検討を行い、UCに対して大腸内視鏡検査を施行された823件724症例のうち、臨床的寛解期かつ内視鏡検査後2年以上経過が追跡可能であった331例を対象とした。年齢、性別、病型、直近の重症度、寛解導入治療、寛解維持期間、内視鏡的活動性、組織学的活動性と臨床的再燃の有無について検討を行ったところ、観察期間中に臨床的再燃が69例(20.8%)に認められた。単変量解析では内視鏡活動性スコアと再燃率に有意な相関を認めたが、そのほか重症度、寛解維持期間、血中ヘモグロビン値、寛解導入治療法とも相関を認めた。今後、再燃率に関与する独立した因子を抽出するために多変量解析を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臨床的寛解、かつ内視鏡的寛解が達成されている症例の選択、その後の経過の追跡を行い、臨床所見、内視鏡所見、寛解導入および寛解維持治療法、内視鏡所見、病理組織所見を数値化して解析中で、単変量解析まで終了している。データ量が膨大であること、欠測値の補正のなどため、本年度の進捗はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

本年度に解析している後ろ向きの症例データをさらに続行し、生存解析、多変量解析により再燃率に関与する独立した因子を抽出することに並行して、臨床的緩解期にある潰瘍性大腸炎患者を対象として前向き研究のエントリーを進める。

次年度使用額が生じた理由

未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である

次年度使用額の使用計画

研究計画通りに進めていく予定である

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Risk factors for decreased bone mineral density in inflammatory bowel disease: A cross-sectional study2015

    • 著者名/発表者名
      Wada Y, Hisamatsu T, Naganuma M, Matsuoka K, Okamoto S, Inoue N, Yajima T, Kouyama K, Iwao Y, Ogata H, Hibi T, Abe T, Kanai T
    • 雑誌名

      Clin Nutr

      巻: 34 ページ: 1202-9

    • DOI

      10.1016/j.clnu.2015.01.003

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Aging, Smoking, Dyslipidemia, and Obesity Are Independently Associated With the Prevalence of Colorectal Neoplasia in Japan: Analyses of Comprehensive Health Checkup Data2015

    • 著者名/発表者名
      noue N, Takayama M, Makino K, Matsuzaki J, Shiomi E, Shimizu R, Yoshida T, Kashiwagi K, Hirose H, Momoshima S, Sugino Y, Iwao Y
    • 学会等名
      Annual Scientific Meeting of the American College of Gastroenterology
    • 発表場所
      ハワイ(アメリカ)
    • 年月日
      2015-10-16 – 2015-10-21
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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