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2015 年度 実施状況報告書

大腸癌における上皮細胞増殖因子および腫瘍壊死因子関連新規分子標的遺伝子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 26460978
研究機関愛知医科大学

研究代表者

小笠原 尚高  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00433219)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード大腸癌 / 上皮細胞増殖因子 / 腫瘍壊死因子 / 炎症 / 転写抑制遺伝子
研究実績の概要

【DNA microarrayによる解析】
大腸癌培養細胞(CaCo2)ならびに大腸上皮培養細胞(HT29)においてIL-1βあるいはIL-8によりADAM17を活性化させた状態とADAM17をsiRNAによりノックダウンさせた状態でmRNAを抽出した。ADAM17活性化状態とノックダウン状態のmRNAをmicroarrayにて各種の遺伝子発現を検討した結果、CDKN2AとMCL1の2つの遺伝子の発現が、ADAM17のノックダウン状態において、著明に増加していた。
【マウスにおけるADAM17、TNF-α細胞内ドメインならびに関連転写抑制遺伝子の検討】
マウス腸管におけるADAM17およびTNF-α細胞内ドメイン(TNF-α-CTF)の発現を検討するため、前処理をしていないC57BL/6マウス(コントロールマウス)の大腸を摘出し、組織標本を作製するとともにタンパクとmRNAを抽出した。また、C57BL/6マウスに対し、2%DSS(Dextran sulfate sodium)を5日間自由飲水させ潰瘍性大腸炎モデル(DSS腸炎マウス)を作成し、同様に大腸を摘出し、組織標本を作製するとともにタンパクとmRNAを抽出した。DSS腸炎マウスでは、コントロールマウスに比べ、ADAM17のmRNAおよびタンパク発現が増加していたが、TNF-α-CTFのmRNAおよびタンパク発現に両群で差を認めなかった。また、マウス大腸組織において、ADAM17およびTNF-α-CTFの免疫染色を行い、それらのマウス大腸上皮細胞における局在を検討したところ、ADAM17およびTNF-α-CTFのいずれにおいても、それらの細胞内および腸管壁での局在に両群で差を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の主たる研究目的であるmicroarrayによるADAM17、TNF-α細胞内ドメインに関連する転写抑制遺伝子の解析ならびにマウスにおけるADAM、TNF-α-CTFならびに関連遺伝子の検討は上述のように予定通り順調に行うことができた。また、本経路(ADAM17-TNF-α細胞内ドメイン)において調節を受けている可能性のある下流の遺伝子(CDKN2AならびにMCL1)を検索することができたが、TNF-α細胞内ドメインの結合転写因子の同定については、データベースに存在する遺伝子の中から、TNF-α-CTF結合構造を持つ炎症関連転写抑制遺伝子を同定する解析が十分に遂行できていないため、今後引き続き解析を継続する予定である。

今後の研究の推進方策

【ヒト大腸粘膜上皮におけるADAM17ならびにTNF-α細胞内ドメイン発現の検討】
TNF-α-CTFのモノクローナル抗体ならびに抗ADAM17抗体を用い、潰瘍性大腸炎患者において下部消化管内視鏡検査時に採取した生検ヒト大腸粘膜組織に対して免疫染色を行うことでそれら大腸組織内における局在とヒト大腸組織での発現意義について検討する。また、ヒト大腸粘膜組織におけるTNF-α細胞内ドメイン関連遺伝子CDKN2AならびにMCL1のmRNA発現についても検討する。TNF-α-CTF、ADAM17、CDKN2AおよびMCL1の発現と患者の予後、治療効果の反応性などとの関連についても検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度中の研究を予定していたTNF-α細胞内ドメインの結合転写因子の同定について、データベースに存在する遺伝子の中から、TNF-α-CTF結合構造を持つ炎症関連転写抑制遺伝子を同定する解析が十分に遂行できていないため、購入を予定していたPCRプライマー、マイクロアレイプレート等を購入することができなかった。

次年度使用額の使用計画

TNF-α-CTF結合構造を持つ炎症関連転写抑制遺伝子の解析を進め、関連遺伝子を同定するために、PCRプライマー、マイクロアレイプレート等の研究遂行のための試薬を購入したいと考えている。

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公開日: 2017-01-06  

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