腫瘍壊死因子(TNF-a)前駆体の細胞内ドメイン(TNF-a-NTF)の核移行抑制をターゲットとした潰瘍性大腸炎の抑制に関する検討を行った。IL-8によるADMA17の活性を介してTNF-a前駆体のsheddingが惹起されるが、酢酸によりADMA17の発現は抑制された。ADMA17の活性化によりTNF-a-NTFの核内移行が誘発されるが、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の投与によりTNF-a-NTFの核内移行は阻止された。潰瘍性大腸炎患者の大腸粘膜組織においてTNF-a-NTFならびにADAM17は大腸上皮細胞に発現しており、潰瘍性大腸炎における炎症抑制に関するメカニズムの1つと推察された。
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