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2015 年度 実施状況報告書

NKT 細胞依存性肝炎における肝細胞障害の抑制メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 26460990
研究機関新潟大学

研究代表者

川村 俊彦  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70301182)

研究分担者 神田 泰洋  新潟大学, 医歯学系, 助教 (00436768)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード肝臓 / NKT細胞 / 自己免疫性肝炎 / alpha-galactosylceramide / RasGAP / RASAL3
研究実績の概要

応募者らは、糖脂質である alpha-galactosylcermaideをマウスに投与すると、肝臓のNKT細胞が活性化し、正常な自己肝細胞を障害し、急性の肝炎を発症することを見いだし、NKT細胞依存性肝炎マウスモデルとして確立した。このNKT細胞依存性肝炎においては、肝細胞障害がどのように制御されているかという点で、不明な点が多い。
Ras GTPase-activating proteins (RasGAP)は、Ras/Erkシグナル伝達経路を調節し、様々な種類の細胞の増殖・機能・分化において重要な役割を果たす。我々は、主に造血系細胞に発現する新たな RasGAPである、RASAL3を同定し、平成27年度は、RASAL3のNKT細胞依存性肝炎における役割について解析した。
RASAL3を欠損するマウスに、alpha-galactosylceramide を投与しNKT細胞を活性化すると、野生型マウスに比較し、血清中に産生されるIL-4、IFN-g、TNF-aの量が低下していることが分かり、RASAL3は、NKT細胞の機能を制御することが示唆された。さらに、RASAL3欠損マウスでは、NKT細胞依存性肝炎の程度が、野生型マウスに比し、軽いことが分かった。以上の結果により、RASAL3は、NKT細胞の機能を調節し、NKT細胞依存性肝炎を制御する因子であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

RASAL3は、NKT細胞の機能を調節し、NKT細胞依存性肝炎を制御する因子であることが示唆する結果を得ることができ、その研究成果を論文として発表することができた。

今後の研究の推進方策

RASAL3は、NKT細胞の機能を調節し、NKT細胞依存性肝炎を制御する因子であることが示唆する結果を得ることができ、その研究成果を論文として発表することができたが、そのメカニズムに関しては、まだ不明な点が残されており、それらを更に追及していきたい。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、研究計画が順調に進み、実験動物や試薬の購入を最小限に抑えらた。予想に反した結果が得られた場合には、実験の軌道修正のため、追加の試薬等の購入等を想定していたが、その必要がほどんどなく、想定していた予算を全て使用する必要がなかったため。

次年度使用額の使用計画

これまで、研究は順調に進んできており、最終年度である平成28年度は、これまで得られた結果をもとに、さらに多くの実験を計画している。特に、NKT細胞依存性肝炎のメカニズムを解明するため、多くの遺伝子改変マウスの購入を予定しており、これまで以上に予算を使用する必要性があると想定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] RASAL3, a novel hematopoietic RasGAP protein, regulates the number and functions of NKT cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Saito S, Kawamura T, Higuchi M, Kobayashi T, Yoshita-Takahasi M, Yamazaki M, Abe M, Sakimura K, Kanda Y, Kawamura H, Jiang S, Naito M, Yoshizaki T, Takahasi M, Fujii M.
    • 雑誌名

      European Journal of Immunology

      巻: 45 ページ: 1512-1523

    • DOI

      10.1002/eji.201444977

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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