劇症肝炎の発症における肝マクロファージの役割を解明し、新規治療の開発に繋げるため、P. acnes/LPSによるマウス劇症肝炎モデルを作成し、超音波造影剤(Sonazoid)を用いてKupffer相の画像化を行い、肝組織におけるマクロファージの分布と比較検討した。肝マクロファージ数はコントロール群に比べ劇症肝炎群で著しく増加していたが、Kupffer相イメージにおけるエコー輝度の上昇は比較的軽度であり、乖離が見られた。本研究により超音波造影剤が急性肝障害における非侵襲的な病態把握のツールとしての有用性が示唆されたが、肝血流の変化やマクロファージの貪食能の変化などの複合的な解釈が必要である。
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