肝細胞癌の再発、転移など、難治性に関わる重要な細胞集団として癌幹細胞が知られている。本研究ではEpCAM陽性癌幹細胞における可塑性について、特にがん幹細胞の維持制御機構と微小環境を構成する細胞との関連について検討を行った。線維芽細胞はTGF-betaを分泌しEpCAM陽性癌幹細胞を増加させ、そのメカニズムとしてKDM2Bの発現誘導によるH3K36メチル基のエピジェネティックメモリー制御が考えられた。また癌微小環境を反映すると考えられる6種の血清サイトカインを同定、分子標的薬ソラフェニブの感受性、予後延長効果に関わる可能性を見出した。
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