研究課題
我々は、細胞極性を制御すると考えられてきたsmall GTPaseについてこれまで解析を行ってきた。なかでも消化器臓器におけるRab8aやCdc42についての機能解析を行ってきたが、消化器臓器においていまだ役割が明らかではないRab11aに着目し、その機能を明らかにすることを目的として研究を行っている。2年目である本年は、臓器特異的Rab11aノックアウトマウスとして、昨年から作成された肝細胞特異的Rab11aノックアウトマウスを用いて、肝細胞におけるRab11aの機能解析を進めた。肝細胞特異的Rab11aノックアウトマウスは正常マウスと同様に長期に生存したため、負荷実験を行った。Rab11aは細胞内輸送を司る分子であり、脂肪の吸収・代謝・排出を含む細胞内輸送に関与すると考えられたため、脂肪食負荷により脂肪性肝炎モデルを作成し、肝細胞における脂肪代謝の検討に着手した。脂肪食負荷により肝細胞Rab11aが細胞内脂肪蓄積に関与していることが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
Rab11aの肝細胞における機能解析については、ノックアウトマウスから得られた結果より一定の成果が得ている。上記のことから、平成27年度の研究計画は概ね計画通りに遂行でき、平成28年度も順調に研究計画を実現できるものと考えている。
今後は、脂肪性肝炎におけるRab11aの機能解析をさらに進めていき、脂肪性肝炎に対する治療標的を明らかにしていく。またB型肝炎ウイルスの感染機構に対するRab11aの役割を明らかにし、そのメカニズムを解析する予定である。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件)
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