臓器特異的Rab11aノックアウトマウスとして作成された肝細胞特異的Rab11aノックアウトマウスを用いて、肝細胞におけるRab11aの機能解析を進めている。肝細胞特異的Rab11aノックアウトマウスにおいて、脂肪食負荷により体重や性腺周囲脂肪量はコントロールマウスと比較して差は認めなかったが、肝重量体重比はコントロールマウスと比較し有意に増加を認め、脂肪食負荷による脂肪蓄積が増加していることが示唆された。 一方、腸管上皮細胞特異的Rab11aノックアウトマウスは、腸炎悪化とともにpHH3陽性細胞数の増加にみられる細胞増殖亢進がみられた。またIL-6を始めとする炎症サイトカインやケモカインの発現増加とともにStat3の活性化を認めていた。さらにP65やRelBの発現上昇にみられるNF-kB、MAP kinase経路の活性化もみられた。またこの経路にはRab8は関与していなかった。腸内細菌を認識するTLRそのものをRab11が制御しており、IKKs/NF-kBやMAPK経路を介したIL-6やIL-1βといったサイトカイン産生を制御していることが明らかとなった。
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