研究課題/領域番号 |
26461005
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
孝田 雅彦 鳥取大学, 医学部, 准教授 (20243389)
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研究分担者 |
法正 恵子 鳥取大学, 医学部, 助教 (20379621)
岡本 欣也 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (20464282) [辞退]
下廣 寿 鳥取大学, 医学部, 助教 (90583758)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 / microRNA |
研究実績の概要 |
正常およびSS、NASH モデルマウス肝内のmiRNA 発現を、ほ乳類間で良く保存されているmiRNA 375個を選抜し、マイクロアレイ法により網羅的に解析した。測定された発現強度を、1:NAFLDのいずれかにおいて正常との間で大きな変動がみられたもの(NAFLDへの進展)、2:SSとNASH間で発現変動があるもの(NASHへの進展)の、二つの概念で抽出した結果、32個のmiRNAが、初期候補として抽出された。これらについてmiRNAデータベース miRBaseを用いて、ヒトとマウスで共通に発現しているmiRNA 28個を選択した。28個のmiRNAについて発現強度の再現性を確認するため、それぞれの群で新たな4個体から得た肝組織でのmiRNA発現をRT-PCRを用いて検討したところ、14個が平均発現強度において選択基準を満たし、これらをNASH関連候補miRNAとした。 これら候補miRNAの標的遺伝子について、ソフトウェアによる予測を行ったところ、ほぼすべての候補miRNAが、NASHへの進展、もしくは進展予防に関与するタンパクが複数指摘された。 ヒトへの応用に関して、肝生検によって診断されたNASH,SS患者、および健常対照者それぞれ10例の血清内候補miRNA発現を検討した。研究に関して、鳥取大学の倫理委員会の承諾を得たうえで(承認番号2374)、文書による説明と同意を得た。候補miRNAのヒト血清内発現プロファイルを検討すると、SSとNASHの間で明瞭な発現パターンの相違が見られ、マウス肝における候補miRNA群が、ヒト血清においても疾患指標になることが示された。これらの候補miRNAのうち、6個はSSとNASH間発現差が統計学的に有意である上、平均発現強度差が±2Log2を超過しており、強い差異が認められた。これらについて、 NASH患者における臨床検査所見との関連について線形回帰分析で検討したところ、4つのmiRNAにおいて、それぞれ、トランスアミナーゼ 、HDLコレステロール値、総コレステロール値、血小板数と有意な相関がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度において予定していた、モデルマウス肝から再現性のあるNASH関連候補miRNA群の同定と、それら候補miRNAの標的遺伝子群を、ソフトウェアを用いて予測し、オントロジーによる選択を経て、ウエスタンブロット、 ELISAプレートなど既存の技術で現実的に検討可能な数の標的遺伝子群絞り込みが行えた。
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今後の研究の推進方策 |
候補miRNAのヒト血清内発現についてPilot Studyを行い、SSとNASH患者の血清において候補miRNAの発現プロファイルを明らかにする。また、その発現とNASHの臨床所見に有意な関連を持っているかどうか検討する。さらに例数を増やし、サブグループ解析を用いて詳細な関連を検討したい。 我々が過去の検討で明らかにしてきたように、ソフトウェアで予測された標的遺伝子は、miRNAの複雑な相互干渉の影響で、組織、病態ごとに異なるごく一部しか実際には発現変化がみられない。NASH肝において実際に変動している標的蛋白について、今後培養細胞、モデルマウスに対する候補miRNA過剰発現/抑制を通して、ウエスタンブロットなどによるタンパク質定量にて検索してゆく。また、ヒト血清での検討から、NASHの臨床所見に影響していることが示唆されており、これをフィードバックし、miRNAの発現操作による肝組織内の変化についても検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度実験に用いたサンプル数が少なかったため サンプルを増やして次年度に行うことになった
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次年度使用額の使用計画 |
ソフトウェア予測された標的蛋白のなかから、培養肝細胞、モデルマウスへの候補miRNA発現干渉を行うことで、実際に変動している標的蛋白を同定するため、細胞培養、マウス飼育および、ウエスタンブロット、ELISAプレート購入が望まれる。 候補miRNAの血清内発現について、症例数を増やして更に詳細な検討を行うため、血清miRNA抽出、発現測定を継続することが望まれる。
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