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2014 年度 実施状況報告書

脂肪肝炎~肝発癌の病期に応じた最適な酸化ストレス介入療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26461006
研究機関岡山大学

研究代表者

高木 章乃夫  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80359885)

研究分担者 太田 成男  日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00125832)
渡辺 信和  九州がんセンター, 細胞治療科, 医長 (10334278)
恩地 正浩  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20727391)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード酸化ストレス / 肝細胞癌 / 胆管細胞癌 / 非アルコール性脂肪性肝炎
研究実績の概要

本研究は肥満関連肝胆道癌の新たな治療ターゲットとしての酸化ストレスコントロールの可能性を探索するものである。
1.臨床検体を用いた酸化ストレス状態の評価:現在までの検討で末梢血酸化ストレスマーカーROM、抗酸化力マーカーOXYを測定した結果では、脂肪性肝疾患に関連する肝細胞癌において、非担癌脂肪性肝疾患と比較して有意に抗酸化力が低下していることが明らかになった。胆管細胞癌においては酸化ストレス・抗酸化力のバランスが酸化ストレス寄りになっていることが明らかになった。また、脂肪性肝疾患患者肝生検組織及び胆管癌患者手術組織において、酸化ストレスマーカーである4-HNEの免疫染色陽性細胞面積は末梢血中ROMに相関しており、肝臓および胆管癌局所における酸化ストレス状態を反映していると考えられた。
2.動物モデルを用いた抗酸化治療の有用性に関する検討:脂肪性肝疾患・肝発癌モデルであるSTAMマウスに抗酸化治療として、酸化ストレス除去薬ビタミンE、ミトコンドリア機能補助薬L-カルニチンを投与し、同様の脂肪性肝炎改善効果を認めたものの、ビタミンEよりもL-カルニチンの方が肝癌抑制効果が強かった。また、胆管癌動物モデルで、発癌後に開始したビタミンE・L-カルニチン治療では明らかな癌進展抑制は認められなかったが、L-カルニチン投与により、健常部でのミトコンドリア機能関連酵素発現の亢進を認めた。担癌動物において酸化ストレス除去よりも酸化ストレスコントロールを誘導するL-カルニチンはより望ましい可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.臨床検体を用いた検討は、当初の予定項目のうち、保存検体を用いた解析はほぼ終了した。現在前向きに回収しているRNA測定用検体の集積がいまだ不十分で検討ができていない。次年度も引き続き臨床検体の回収をすすめ、後半にmRNAの測定をまとめて行う計画である。

2.動物モデルを用いた検討では、肝細胞癌における検討は目標を達成した。胆管癌モデルにおいてはいまだ、十分な検討ができていない。

今後の研究の推進方策

1.臨床検体は現在、前向きに肝癌・胆管細胞癌の手術組織をRNA解析用・免疫染色用などの為に回収、保存中である。年度末に回収できた検体を利用して、酸化ストレス関連遺伝子である、ミトコンドリアβ酸化関連遺伝子MCAD、ペルオキシゾームβ酸化関連遺伝子ACOX-1、TLR2,4などの発現をリアルタイムPCR法にて癌部・周辺正常部ともに定量する。患者の便も回収しており、ある程度検体の集積が得られた時点で腸内細菌叢バランスにつき検討する。

2.動物モデルは、胆管癌モデルを作成し、現在ビタミンE・カルニチンにより、健常部・癌部にどのような変化が生じているかの検討を開始した。

臨床検体回収に遅れがあり、次年度に行う実験になったため、残額が生じている。

次年度使用額が生じた理由

1.臨床検体におけるリアルタイムPCR・免疫染色などの経費が必要である。
2.動物モデルにおけるリアルタイムPCR・免疫染色・癌幹細胞フローサイトメトリーなどの検討に経費が必要である。特に臨床検体の回収が遅れたために、次年度に使用することとなった。

次年度使用額の使用計画

検体回収に合わせて検討を行っていくにあたり、1.及び一部2.の経費に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 糖尿病関連肝内胆管細胞癌モデルにおける抗酸化治療の有用性と腸内細菌叢の変化の検討2015

    • 著者名/発表者名
      内田大輔、高木章乃夫、他
    • 学会等名
      第101回日本消化器病学会総会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2015-04-23 – 2015-04-25

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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