研究課題
Genotype 1型のC型慢性肝炎患者において,シメプレビル+Peg-interferon (PegIFN)/リバビリン(RBV)療法の非SVR例では,Direct-acting antiviral (DAA)未治療例に比べ,ダクラタスビル+アスナプレビル療法のSVR率は低値であった.シメプレビル+PegIFN/RBV非SVRにより生じたNS3-D168変異がdeep sequenceにより感度以下に低下したことを確認後,ダクラタスビル+アスナプレビル治療を導入したにも関わらず,開始早期にbreakthroughを生じた例もあった.ダクラタスビル+アスナプレビル療法でbreakthroughを生じ,治療60週後にdeep sequenceにてNS3-D168変異が感度以下となった患者の血清あるいはDAA未治療の患者血清をヒト肝細胞キメラマウスに接種し,シメプレビルを経口投与した.投与前,いずれのマウスもNS3-D168変異はdeep sequenceにて感度以下であったが,ダクラタスビル+アスナプレビル療法非SVR例の血清投与マウスでは,シメプレビル投与により,すみやかにNS3-D168変異が出現し増加した.一方,ダクラタスビル+アスナプレビル療法非SVR例の血清投与マウスに対し,耐性プロファイルの異なるソホスブビル+テラプレビルを投与したところ,NS3-D168変異の増加は抑制され,血中HCV RNAの持続低下が得られた.DAA治療非SVRにより出現したNS3-D168変異は,その後,deep sequenceで消失したかのように見えても,プロテアーゼ阻害薬の再投与により,容易に再上昇することが示された.これらの症例に対する再治療の際には,耐性プロファイルの異なる薬剤を選択することが望ましいと考えられた.
すべて 2016
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