NASH発症病態においてKupffer細胞の機能異常は重要である。本研究において、NASH肝組織ではKupffer細胞サブセットであるCD11b+Kupffer細胞が増加し、CD68+Kupffer細胞が減少していた。また、1Gy放射線照射にてCD11b+Kupffer細胞数を減少させると、肝脂肪化に変化はないが肝臓の炎症と線維化は著明に改善した。一方、クロドロネート投与にてCD68+Kupffer細胞を減少させると肝障害は増悪した。以上より、CD68+Kupffer細胞および骨髄由来CD11b+Kupffer細胞の肝臓内集積はNASH発症病態に極めて重要な役割を果たしている。
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