研究課題
2型糖尿病自然発症ラットを用いた肝線維化モデルにおいて、臨床で糖尿病治療薬として用いられているSodium glucose cotransporter 2 (SGLT2) 阻害剤を用いて肝線維化抑制効果につき検討を加えた。これらの研究結果より、SGLT-2阻害剤はインスリン抵抗性改善効果を介して間接的な肝線維化抑制効果を示すことが明らかとなった。SGLT2阻害薬はNASHのように耐糖能異常を合併する慢性肝疾患において、インスリン抵抗性改善作用を介した肝線維化抑制効果を示しうることが示唆された。(J Gastroenterol. 2016 Dec;51(12):1141-1149)。さらに糖尿病のない、コリン欠乏アミノ酸食投与肝線維化ラットモデルを用いて、dipeptidyl peptidase(DPP)-4阻害剤とangiotensin-II type 1 receptor blocker(ARB)を投与し、線維化関連因子であるα-SMA やcollagen1A1、TGF-βの発現抑制を伴って肝線維化が抑制されることを確認した。両薬剤併用による肝線維化進展阻害を認め、Hepatol Res. 2016 Dec 28.に投稿した。また、臨床研究(UMIN 000008068)でDPP-4阻害は比較的低いHbA1c値と2型糖尿病患者におけるNAFLDの進行に対する効果を有することを論文に投稿した(Efficacy of alogliptin in preventing non-alcoholic fatty liver disease progression in patients with type 2 diabetes. Biomed Rep. 2016 Feb;4(2):183-187.)が、保存検体を用いてさらに新規線維化マーカーなどとの関連について解析を行っている。
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World J Hepatol.
巻: 8 ページ: 1194*1199
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Hepatol Res.
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http://www.naramed-u.ac.jp/~3int/index.html