研究課題/領域番号 |
26461019
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
阿部 雄太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70327526)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / ソラフェニブ / 薬剤耐性 |
研究実績の概要 |
1)Transposon tagged cellの確立:トランスポゾンを用いて肝癌細胞株であるHepG2、HepG3、LTRL細胞株に対して、それぞれのゲノム上のランダムな位置に、CMVのプロモータ領域と抗生剤のピューロマイシン耐性遺伝子を導入、さらにピューロマイシンによるselectionをかけることで、CMVのプロモータ領域が挿入された各種肝癌細胞群(transposon tagged cell)を樹立を確認した。 2)薬剤耐性株の獲得: MTT assay法により薬剤至適濃度を確認したのちに樹立したtransposon tagged cellを用いて、ソラフェニブを添加した。その結果形成したコロニー形成に再度成功した。このコロニーはCMVプロモータ領域の導入により薬剤耐性に関与する遺伝子を過剰発現している可能性のある細胞株と考えられる。 3)薬剤耐性遺伝子の同定: 耐性コロニーを単離培養した後DNAを抽出し、トランスポゾンにより挿入された箇所を制限酵素処理にて切り出し、Splinkerette PCRにてDNAを増幅させ、プラスミドベクターを用いて大腸菌内でさらに増幅させた。現在確認し得たのはここまでである。この増幅したDNAの塩基配列を同定し、Basic Local Alignment Search Tool (BLAST)を用いて遺伝子を同定、さらに複数の耐性コロニーから同様にDNAを抽出して発現遺伝子を解析を試みたが現在難航している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
薬剤耐性遺伝子の同定の後に同定した薬剤耐性遺伝子の選定までを初年度の目標としていたが、現在は遺伝子同定のプロセスである。DNA処理プロセスの単純なミスから再検を繰り返していたためでありまもなく同定がなされるとかんがえる。同定次第次の選定プロセスに入る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
薬剤耐性遺伝子の同定後に同定した耐性遺伝子の選定を行う。同定した薬剤耐性遺伝子の選定は、NEXTBIO RESEARCH社のNextBio database systemを用いて行う。我々はNEXTBIO RESEARCH社の研究者の協力を得て、本研究を行う上でこのデータベース使用のモニター登録を行っており、フルシステムが期間限定で使用することができる。本システムを用いて、候補遺伝子の発現と対象薬剤を用いた臨床試験の結果を対比し、膨大な遺伝子リストから次の実験を行う遺伝子を選定する。実験計画の大幅な変更は必要としないと判断している。
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