研究課題
膵臓癌は年間2万人を超える死亡数が推計されており予後不良である.現在用いられている抗がん剤や分子標的剤も効果が不十分であり,新規治療法が期待されている.抗がん剤に対する不応性の一因として,膵癌の特徴である豊富な間質(癌随伴線維芽細胞CAF)がバリアとなり薬剤の送達性が不良であることが考えられる.そこで,申請者らが開発した膵星細胞を標的としたVitamin A結合ナノパーティクルと膵癌細胞を標的としたフコース結合ナノパティクルを用いた新たなDDS法を応用し,膵癌に対する細胞標的療法を考案した.平成26年度は膵癌細胞とCASに対するin vitroの送達性を検証するためにフコース,Vitamin Aとリポソームの結合比などの検証を主に施行した.その結果,フコース2-4%molの結合が最良の結果であることが判明し,各種膵癌細胞に対する導入効率が極めて高い結果であった.また,preliminaryながらCAFと膵癌細胞をtwo-chamberフラスコに培養し,抗腫瘍効果をin vitroで検証し,高い抗腫瘍効果を確認した.今後,これらの結果をconfirmするとともに,in vivoにおける抗腫瘍効果を検討する予定である.
2: おおむね順調に進展している
CAFと膵癌細胞をdual targetとする新たなDDS法の開発研究であり,リポソームの調整,配合比などを決定することが極めて重要である.リポソームとフコース,VitaminAの結合並びに結合割合などの検討がほぼ終了したことから,本年度の研究成果はほぼ達成できたものと考えられる.
本年度の研究成果を踏まえて,抗腫瘍効果の結果をconfirmするとともに,in vivoでの研究を遂行する予定である.
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件)
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