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2015 年度 実績報告書

膵癌と間質に対するdual target therapyによる新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26461037
研究機関札幌医科大学

研究代表者

石渡 裕俊  札幌医科大学, 医学部, 助教 (90468083)

研究分担者 瀧本 理修  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10336399)
小野 道洋  札幌医科大学, 医学部, 助教 (80634675)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードフコース / ビタミンA / 膵癌 / がん随伴線維芽細胞
研究実績の概要

膵癌は,現在本邦における癌死亡原因の第5位であり,年間約22,000 人を超える死亡数が推計されている.膵癌は浸潤性が高く,早期に転移しやすいことから,診断時には既に手術不能のIVb 期に進行している例が約60%であり,例え病期IVb 以下で手術が行われて
も90%の症例は再発し5年生存率は10%と報告されている.現状では,このような進行膵癌に対する有効ながん薬物療法の効果は未だ満足できる成績ではなく,膵癌に対する革
新的な薬物療法の開発が望まれている.現在の薬物療法の問題点としては,抗がん剤が膵癌組織の線維化のためにがん細胞に到達できないため,抗がん作用を発揮できる濃度が得られないという問題がある.それを克服する方法として,1)がん組織中の間質圧を低下させ薬剤の組織への搬送性を高める手法,2)膵癌細胞に有効な薬剤を特異的にデリバリーする方法の開発などが有効であると考えられる.1)に関しては,最近,申請者らは膵線維化を誘導する膵星細胞がVitamin A を選択的に取り込むことを利用し,コラーゲンのシャペロン分子であるHSP47 をsiRNA でノックダウンすることにより線維化を改善する治療法を開発し報告した(Ishiwatari H, Takimoto R, Gut 2013).即ち本療法を用いればCAS を特異的に排除でき,間質圧が低下し薬剤搬送効率の改善が期待できる.平成27年度は昨年度の成果を受けて実際に膵癌検体から採取した癌細胞と癌随伴線維芽細胞に対する抗がん剤内包化フコシル化リポソームによる抗腫瘍効果を検討した.その結果,有意な抗腫瘍効果と特異性を確認できた.またpreliminaryながら,担癌マウスに対する抗がん剤内包化フコシル化リポソームによる抗腫瘍効果も認められた.
以上から,膵癌細胞ならびに癌随伴線維芽細胞の両者を標的とした標的療法は,非常に有望な治療戦略となることが期待される.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Phase I trial of oral S-1 combined with hepatic arterial infusion of gemcitabine in unresectable biliary tract cancer.2015

    • 著者名/発表者名
      Ishiwatari H, Hayashi T, Yoshida M, Ono M, Sato T, Miyanishi K, Sato Y, Takimoto R, Kobune M, Kato J.
    • 雑誌名

      Cancer Chemother Pharmacol

      巻: 75 ページ: 805-812

    • DOI

      10.1007/s00280-015-2704-0.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] EUS-guided celiac plexus neurolysis by using highly viscous phenol-glycerol as a neurolytic agent (with video).2015

    • 著者名/発表者名
      Ishiwatari H, Hayashi T, Yoshida M, Ono M, Sato T, Miyanishi K, Sato Y, Takimoto R, Kobune M, Masuko H, Miyamoto A, Sonoda T, Kato J.
    • 雑誌名

      Gastrointest Endosc.

      巻: 81 ページ: 479-483

    • DOI

      10.1016/j.gie.2014.10.031.

    • 査読あり

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公開日: 2017-01-06  

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