研究課題
1型AIPにおける自然免疫系の関与について検討した。平成26-27年度においては、1主に型AIPおいてM2マクロファージが、また28年度は好塩基球が病態に関わるかどうかについて免疫組織化学法および末梢血を用いたFlowcytometoryにて検討した。その結果、書面にて同意の得られた1型AIP患者(n=40)の末梢血を用いてTLRに対する好塩基球の反応について検討した。対照群としてアレルギー疾患患者(気管支喘息(n=10)、アトピー性皮膚炎(n=10))、健常人の末梢血(n=27)を使用した。それぞれの末梢血をTLR1-9それぞれのリガンドで刺激し、フローサイトメトリーを用いて好塩基球の活性化について解析した。1型AIPの膵組織においては、TLR-7陽性M2マクロファージの浸潤を認め、M2マクロファージが病因病態に関わることが明らかになった。さらに、好塩基球の関与に関して、13例中10例で通常局所では認められない好塩基球の浸潤が認められた。膵組織において好塩基球の浸潤が認められた患者の抹消血における好塩基球をTLR1-9リガンド刺激すると、組織で発現が認められたTLR4もしくはTLR2の刺激によって活性化された患者末梢血中の好塩基球については、TLR4刺激において1型AIP患者群(9.875±1.148)、アトピー性皮膚炎患者群(11.76±1.899)では、健常人群(5.05±0.730)に比べ有意な差(p<0.05)が認められたが、他のTLR刺激では有意な差は認められなかった。以上のことより、1型AIPにおいては、TLR7陽性M2マクロファージやTLR2あるいはTLR4陽性好塩基球などの自然免疫系細胞が病態病因に関与する可能性が明らかとなった。
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