研究課題
胆道がんは、発症早期の臨床症状に乏しくかつ浸潤性が高いことから、多くの症例では進行期で発見されることになり、その予後は不良な難治がんである。本研究では、化学療法での治癒は困難とされる胆道がんについて、がんのドライバーとなっている新しい治療標的分子を同定し、革新的な診断と分子標的治療の基盤を確立することを目的にしている。本年度は、胆管がん100症例の腫瘍RNAのトランスクリプトーム解析を行なった。得られたシークエンスデータより、受容体キナーゼタンパクをコードしているもの選別し、新規融合キナーゼ遺伝子を同定した。キナーゼ遺伝子の発現は、遺伝子融合を認める群で顕著に高くなっており、がんドライバー遺伝子としての関与が考えられる。
2: おおむね順調に進展している
100症例の胆道がん外科切除検体からのRNA抽出精製、及びトランスクリプトームシークエンスを滞りなく行なうことが出来た。
これまでの研究計画に変更はない。新規に同定した融合遺伝子をNIH3T3等の細胞に強発現させて、形質転換能を調べる。各種阻害剤を用いて、融合遺伝子に対する効果をin vitroで調べる。
RNA発現の比較対象とする細胞株9種のシークエンスが完了しなかったため。
次年度に速やかに試薬を購入して、残りのトランスクリプトームシークエンスを行なう。
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Hepatology
巻: 59 ページ: 1427-1434
10.1002/hep.26890