研究課題
平成27年度までに、WHO2010分類による膵神経内分泌癌(pNEC)の全国31施設における多施設共同研究を行い、NET-G3とPDNEC (small cell NEC (SCNEC)およびlarge cell NEC (LCNEC))の鑑別にはKRAS変異とRbの免疫染色が有用であることに加え、KRAS変異陽性とRbの免疫染色低下がプラチナベースの化学療法の奏功を予測する各々独立したバイオマーカーの可能性があることを示した。平成28年度は、KRAS変異とRb免疫染色低下とプラチナベースレジメンに対する効果予測が、pNECのサブタイプであるSCNECとLCNECで同様であるかを交互作用の有無を用いて検討した。Rb免疫染色低下はSCNECとLCNECとの間で交互作用を認めず、SCNECとLCNECにおいて同様の効果予測因子である可能性が示唆された(P-heterogeneity = 0.96)。一方、KRAS変異に関してはLCNECではKRAS変異陽性症例のみに奏功しKRAS野生型に奏功例が存在せず、解析モデルの適応ができなかった。リキッドバイオプシーに関しては、保存血清1 mLを用いてKRAS変異をdroplet digital PCR (ddPCR)法で解析し、少数例ではあるがpNECでは組織と血中KRAS変異感度が100% (2/2)であり、リキッドバイオプシーとしての可能性が示唆された。
3: やや遅れている
成果の論文公表とリキッドバイオプシーの症例集積が遅れている。
本年度では成果の論文公表と可能な限り症例の集積を行う。現在、O6-methylguanine-DNA methyltransferase(MGMT)発現が、神経内分泌腫瘍の治療薬でありアルキル化剤のstreptozocin (STZ)の効果予測因子となる可能性について研究を開始しており、今後研究を進めていく予定である。
リキッドバイオプシー解析の遅れおよび論文投稿の遅れ。
リキッドバイオプシー解析の継続、成果発表のための最新情報収集と論文投稿。既に開始したMCMT発現に関する研究の進行。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)
J Gastroenterol
巻: 52 ページ: 264-264
10.1007/s00535-016-1297-7
巻: 51 ページ: 923-30
10.1007/s00535-016-1164-6