研究課題/領域番号 |
26461046
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
内藤 格 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30527750)
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研究分担者 |
中沢 貴宏 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70305522)
宮部 勝之 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00543985)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 胆管生検 / 胆管癌 / FISH法 |
研究実績の概要 |
内視鏡的ブラシ細胞診、胆管生検の成績について明らかにした。過去10年間に当院で、内視鏡的ブラシ細胞診(202例)または胆管生検(208例)を行った胆管狭窄241例において検討を行った。悪性胆管狭窄診断の感度は胆管生検がブラシ細胞診よりも有意に高率であった (60.6% [97/160] vs. 36.1% [57/158]; P<0.001)。胆管生検の診断感度は膵癌より胆管癌で有意に高率であった (82.0% [50/61] vs. 42.4% [28/66]; P<0.001). 多変量解析にて、T-Bil≧4 mg/dLはブラシ細胞診における悪性診断陽性の予測因子であった(OR: 2.51, 95% CI: 1.14-5.50; p=0.022)。また、胆管癌(OR: 4.93, 95% CI: 2.18-11.11; p<0.001), 胆管狭窄長≧30 mm (OR: 2.94, 95% CI: 1.12-7.75; p=0.029), T-Bil≧4 mg/dL(OR: 2.25, 95% CI: 1.05-4.83; p=0.037)は胆管生検における悪性診断陽性の予測因子であった。以上のことから、上記の因子を持つ胆管狭窄病変が内視鏡的ブラシ細胞診、胆管生検の良い適応になると考えられた。 これらのデータが現在行っている内視鏡的胆管生検により得られた生検組織に対するFISH法を用いた生検診断の基礎データとなり、FISH法を施行することにより、診断能が上昇することを念頭に現在研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
内視鏡的ブラシ細胞診、胆管生検の成績については明らかにすることができ、現在、内視鏡的胆管生検により得られた胆管癌のホルマリン固定パラフィン病理組織を用いて、セントロメア3番、7番、17番の染色体異常、p16の遺伝子異常を検討しているが、FISH法の条件設定に時間がかかり、まだ解析が行えていないため。
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今後の研究の推進方策 |
内視鏡的ブラシ細胞診、胆管生検の成績については明らかにすることができ、基礎データが得られたため、内視鏡的胆管生検により得られたホルマリン固定パラフィン病理組織を用いて、セントロメア3番、7番、17番の染色体異常、p16の遺伝子異常を検討し、FISH法のよる診断能の上乗せ効果、疾患の予後や化学療法の効果との関連性を検討し、予後予測因子、バイオマーカーを明らかにしたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
FISH法の条件設定が安定せず、多数例での検討が行えなかったため、FISH probeを当初の今年度の予定数購入していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度にFISH probeを購入し、予定の染色を行い、検討を行う予定である。
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