研究課題/領域番号 |
26461046
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
内藤 格 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30527750)
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研究分担者 |
中沢 貴宏 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70305522)
宮部 勝之 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00543985)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 胆管生検 / FISH法 / 胆管癌 / IgG4関連硬化性胆管炎 |
研究実績の概要 |
胆管癌に対する内視鏡的胆管生検の診断能向上を目的とし、生検標本を用いたFISH法の有用性について検討した. 内視鏡的胆管生検で得られた生検検体に対してFISH法を用いた診断能について検討を行った。HE標本にて病理組織学的に悪性と診断可能であった胆管癌21例を対象とした。また、IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)16例を比較対象とした。FISH法は、染色体3番、染色体7番、染色体17番セントロメアに対するFISHプローブを使用しmonosomy、polysomyについて検討を行った。各々重なりのない50個の細胞について染色体異常の割合について比較検討を行った。胆管癌とIgG4-SCの生検標本でのpolysomyを示す細胞が10%以上みられる症例数の割合は、染色体3番:胆管癌 48% vs IgG4-SC 6%、染色体7番:胆管癌 43% vs IgG4-SC 0%,17番:胆管癌 62% vs IgG4-SC 12%であった.3つのプローブのうち2つのプローブ以上にて10%以上のpolysomyが確認された場合をFISH法による胆管癌診断とすると,胆管癌標本の66.7%,IgG4-SC標本の0%がFISH陽性であり,感度・特異度はそれぞれ66.7%,100%であった。 今後、胆管癌症例におけるHE標本陰性例、atypia例での検討が必要であるが、FISH法による染色体異常の検出は,経乳頭的胆管生検における胆管癌診断の補助診断として有用である可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例数を増やし、検討を行いたいが、FISH法がまだ安定していないため、症例数の蓄積が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
内視鏡的胆管生検のHE染色を用いた診断能に関しては、多数例での検討が行え、基礎的なデータが得られている。現在は胆管癌の症例がHE染色にて組織学的に胆管癌と診断されたものであるため、特にHE染色にて疑陽性の症例数を中心にFISH染色の検討を行い、FISH法による診断能、HE染色に対する上乗せ効果、疾患の予後や化学療法の効果との関連性を検討し、予後予測因子、バイオマーカーを明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
FISH法の手技が安定しなかったため、目標症例数の検討が行えず、FISH probeを今年度の予定数使用していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
FISH法の手技が安定したら、必要症例数のFISH probeを購入し、検討を行う予定である。
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