研究課題/領域番号 |
26461049
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
金井 信雄 東京女子医科大学, 医学部, 特任助教 (90318056)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 細胞シート / デバイス / 同種細胞 / 他家細胞 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
細胞シートを用いた再生治療が普及していく上で、足枷となっている課題の一つが、体内への細胞シート移植手技の難易度が高いため、移植担当医師による治療成績が安定しないことである。この課題を解決するため、3Dプリンターを利用して、安定して食道内への細胞シート移植を可能とする内視鏡的細胞シート移植デバイスを開発した。食道への細胞シート移植の研究は、主に大動物(ミニブタ)を用いて行った。(東京女子医科大学動物実験14-69承認)デバイスの構造は大まかにチューブ部分・ボディ部分・バルーンの3部位にて構成される。オリジナルにあたるボディ部分の設計は市販の3D CAD software (Inventor 2014; Autodesk)を用いてデザインし、生体適合性素材で3Dプリンターを利用して作製した(Maeda M, Kanai N, et al. Endoscopic cell sheet transplantation device developed by using a 3D printer and its feasibility evaluation in a porcine model. Gastrointestinal Endoscopy. accept, 2015)。 また自己細胞だけでなく他家細胞を用いた大動物研究も進めており、他家上皮細胞シートによる食道再生治療を開発し、現在論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
大動物において内視鏡的に食道狭窄モデルを開発し、他家上皮細胞シートを移植することにより患部での炎症軽減ならびに狭窄防止効果を認めたため、これを解析検討し現在論文投稿中である。さらに27年度以降に予定していた食道内へ細胞シートを安定して運び、移植を可能とする内視鏡デバイスを3Dプリンターにて開発し、大動物実験で有効な結果を報告した(Maeda M, Kanai N, et al. Endoscopic cell sheet transplantation device developed by using a 3D printer and its feasibility evaluation in a porcine model. Gastrointestinal Endoscopy. accept, 2015)。さらにこのデバイスを用いた治験を進めるべくPMDAと戦略相談を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は他家上皮細胞シートを用いた食道再生治療の開発であり、ヒト臨床応用においてコンビネーションで使用させることになる移植デバイスの開発も遂行した。早期にヒト臨床に移行するために、ヒト細胞による細胞シート製品開発ならびに治験グレードの移植デバイス開発研究へ移行していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりもデバイス開発が順調に進捗し、初年度内に大動物での研究成果の論文報告も間に合ったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
生じた次年度使用額は、開発されたデバイスの完成度を高めるためにサイズバリエーションを増やすことや、さらに改良を進めてヒト臨床への実用化を早めたい。
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