研究実績の概要 |
H29年度も引き続き,研究方針の変更なくヒトの食道粘膜の慢性微細炎症,神経ペプチド,知覚,電気抵抗値に関する検討を行っている.まず,検査診断学(内視鏡・超音波)で作成した消化器症状の問診票(Manabe N, et al. Scand J Gastroenterol 2010; 45: 567-72),およびFスケール問診票(Lusano M, et al. J Gastroenterol 2004; 39: 888-91.)を利用しGERD関連症状(胸やけ、呑酸感等)を問診し,GERD患者50例を拾い上げ全例にプロトンポンプ阻害薬4週間投与による治療反応性の評価を実施した.さらに登録症例全例に食道(中部,下部)における電気抵抗を2種類の交流を印加して測定する各層膜厚・水分計を用いて,電気抵抗値(低周波アドミッタンスと高周波アドミッタンスの比)を測定した.さらに, 電気抵抗値を測定した箇所からそれぞれ3個ずつ組織を採取し,1個は電子顕微鏡による細胞間隙の測定へ,1個は各部位のタイトジャンクションに重要なclaudin-1, 4, 7,occludin,ZO-1の発現を確認する,1個は粘膜内のサイトカイン(TNFα,IFNγ,IL-1β,IL-6) とNK1受容体,サブスタンスP(SP)の多寡を測定し,治療反応性と電気抵抗の関連,組織像との関連を解析している.
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