我々は、P.acnesに対する特異抗体であるPAB抗体を用いた免疫染色により、心サ症群、炎症性心疾患(I)群および非炎症性心疾患(NI)群において比較検討した。心サ症群26例、I群15例、NI群39例全例に、HE染色・PAB抗体による免疫染色を行った。結果、心サ症群の類上皮細胞肉芽腫病巣内の免疫染色による陽性率は63%であった。一方、HE染色における炎症細胞巣の陽性率は、心サ症群62%、I群10%、NI群3%に認めたものの、その炎症細胞巣における免疫染色の陽性率は、心サ症群63%であるのに対し、その他の群では、全て陰性であった。免疫染色は、心サ症の確定診断の補助的役割が示唆された。
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