遺伝性不整脈疾患の遺伝子変異特異的表現型及び顕性化因子についての検討を行った。運動誘発性ブルガダ症候群(亜型ブルガダ症候群)で同定したSCN5A R1632Cは、心筋ナトリウムチャネルの新規かつ特異な機能異常を有することが判明し、分子病態を解明し得た。発熱誘発性QT延長症候群(LQTS)で同定したKCNH2 G584Sの機能異常を解明し、また、発熱誘発性LQTSにKCNQ1変異(D611Y、921G>A)を同定し得た。冠攣縮による一過性心筋虚血は、LQTSの顕性化因子となりうることを明らかにし、さらに、LQTSの新規顕性化因子として左脚ブロック関連cardiac memoryを同定し得た。
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