一回拍出量の低下した予後不良の大動脈弁狭窄症例において、温度センサー付きPressure Wire による術前の微小血管抵抗指標(IMR)、微小血管抵抗予備能比(RRR)が術後の左心機能回復に影響するか検討した。術後6ヵ月での一回拍出量の改善群7名と改善無群14名の間では、術前のIMR、RRRに差を認めなかった。術前で一回拍出量の保たれている群では、術後一回拍出量の改善した群が改善無群と比べ有意にIMRが高かった。術前一回拍出量の低下した群では、術前の各指標に差を認めなかった。術後一回心拍出量の改善した症例と改善しない症例で術前の心筋微小循環障害や心筋微小血管拡張予備能に差異を認めなかった。
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