本研究では、左室収縮能の保たれた心不全患者に対するremote conditioningの臨床的効果の検討を行った。左室駆出率40%以上の30例の心不全患者に対して、remote conditioning群と対象群に割付を行い、最大2年間の経過観察を行った。全死亡・心不全の再入院のエンドポイント両群で差は認められなかった。しかしながら、心不全バイオマーカー(BNP, 心筋トロポニンT)の変動の比較を行うと、remote conditioning群においてより低下する傾向がみられた。remote comditioningは心機能の温存された心不全に対して有用である可能性が示唆された。
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