脂肪組織由来幹細胞を用いた血管新生療法の臨床試験および基礎研究を行った。臨床試験では、四肢切断を回避できないFontaine分類IIIあるいはIV度の末梢動脈疾患患者の虚血四肢に脂肪組織由来幹細胞を筋注した。治療を受けた4名全員において、自覚症状および臨床所見の改善が認められた。基礎研究では、心筋梗塞モデルラットの梗塞部位に脂肪組織由来幹細胞を移植することにより、梗塞範囲の縮小、心機能の改善が認められた。以上より、脂肪組織由来幹細胞は骨髄幹細胞に代わる血管新生療法の治療細胞源になりうることが明らかになった。
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