研究実績の概要 |
本研究は、当院を受診、加療しているDCM 群(30 名)と非DCM 群(30 名、ACS 及び心不全患者は除く)に対して以下を検討し、明らかにする。 *血中sLOX-1 を測定し、健常者に比して、DCM 患者の測定値が高値であることを証明する。*両室心筋生検の組織切片においてLOX-1 発現量、線維芽細胞数、線維化面積を測定し、血中sLOX-1濃度との相関を明らかにする。2 群のsLOX-1 測定値と心エコー検査、心臓カテーテル検査において得られる以下の各測定値との相関を検討. sLOX-1 値と相関するパラメーターを検討し、見いだす。① 左室収縮能(心拍出量、左室駆出率、左室壁厚、左室心筋重量、左室拡張末期径、左室収縮末期径、左室拡張期容積、左室収縮期容積、左室圧、大動脈圧)② 拡張能(僧帽弁流入血流ドプラ波形、僧帽弁輪部組織ドプラ波形、肺静脈血流波形、左室TEI INDEX,左房径、肺動脈楔入圧) ③ 右心機能(右室拡張期径、拡張期面積、収縮期面積、三尖弁輪収縮期移動距離、右室TEI INDEX、肺動脈圧、右室圧、右房圧、中心静脈圧) *心不全のバイオマーカーとして確立されたBNP 及びトロポニンI 値との相関を検討する。*観察期間内(2 年)に、血中sLOX-1 濃度と①心不全にての再入院、②心臓死をきたした患者数との相関を検討する。 これまでの、研究にて、拡張型心筋症6名の血中LOX-1濃度、BNP、トロポニンI濃度測定を行うと同時に、心エコー、カテーテル検査施行した。症例は心筋生検を行い、病理的診断を行っている。一方、ドキソルビシン誘導性拡張型心筋症の病理解析も行っており、心筋細胞、内皮細胞、白血球、線維芽細胞のうち、心筋細胞に発現するLOX-1が最も発現が多く、機能的に重要であることが明らかになりつつある。
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