ガスクロマトグラフィー質量分析計を用いて心房中隔欠損症患者の血中代謝物プロファイルを解析したところ、血行動態を反映してβヒドロキシ酪酸(βOHB)および2-アミノ酪酸(2-AB)が変化していた。負荷がかかった心臓ではケトン体の一つであるβOHBが蓄積し、酸化ストレスに対し保護的に作用することを明らかにした。一方、2-ABはグルタチオンの構成アミノ酸であるシステイン合成時の副産物であり、体内のグルタチオン代謝を鋭敏に反映することがわかった。さらに2-ABはグルタチオン合成自体も促進し、やはり酸化ストレスに対し心筋保護的に作用することを証明した。
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