研究課題/領域番号 |
26461071
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡村 誉之 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70380011)
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研究分担者 |
南 和幸 山口大学, 理工学研究科, 教授 (00229759)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 虚血性心疾患 / 冠動脈ステント / 光干渉断層法 / 動脈硬化 |
研究実績の概要 |
当院で施行した分岐部病変に対する冠動脈ステント留置症例23症例の解析では、カリーナにリンクがかからない方が側枝拡張後の非圧着ストラットが少ないことが示された(平成26年度)。このことを多施設共同の分岐部病変のレジストリーで検証するため、平成27年度は症例登録をすすめた。登録期間に168症例を登録することができた。単一施設での症例では使用ステントの種類などに偏りがあったが、多施設からの登録により現在主流として治療に使われているステントがほぼ均一にエントリーされていた。より至適なステントデザインを模索するために、症例の解析を開始した。収集したOCT画像を3次元再構成し、側枝入口部を覆うステントストラットのパターンと側枝拡張前のガイドワイヤー通過位置を評価、さらに側枝入口部をバルーン拡張後の側枝入口部に残存する非圧着ストラットの頻度を断層画像を用いて解析中である。 生体吸収スキャホールド(BRS)の作成も開始し、リンクがバルーン拡張によって切断されるようなデザインのBRSを試作し、バルーンカテーテルに搭載してファントムモデルに留置実験を試みた。しかし、BRSのストラットが薄いため、バルーンに搭載することが困難であった。試作BRSを用手的に留置した分岐を有するファントムモデルを2つ作成し、OCTでの評価を試みた。1つは留置の際にBRSが完全に壊れてしまい、OCTカテーテルを通過させることが出来なかった。他方はOCTカテーテルをBRSの管腔内を通過させることができ、OCT画像の撮像に成功した。留置方法なども考慮に入れてBRSのデザインを考案する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多施設共同レジストリーの症例登録の集まりが悪かったため、登録期間を6ヶ月延長した。そのため、当初の予定症例数を達成することができたが、解析が遅れている。また、試作ステントのシリコンファントムへの留置が予想以上に難しかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は多施設レジストリーのOCTデータを解析し、さらに至適なステントデザインと留置方法について検討を重ね、留置実験を繰り返し最終形へ発展させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
多施設レジストリーの登録が遅れ、解析や学会発表が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表に関連する旅費、論文作成費、解析ソフトの購入、ステント制作費として使用する予定。
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