研究課題
多施設共同の分岐部病変のレジストリーに登録された症例のうち、本研究の主旨と合致する治療方法が行われた105例について解析した。側枝入口部を覆うステントストラットのパターンを調べたところ、カリーナ部分にリンクが掛かっているタイプ(CC群)が47例(45%)、掛かっていないタイプ(FC群)が58例(55%)だった。多変量解析により側枝入口部の非圧着ストラットを減少させる因子を検討したところ、FCタイプ、ガイドワイヤーが遠位セルを通過していること、側枝の分岐角度が浅いこと、リンク数の少ないステントを使用していることであった。FCタイプで遠位セルを通過した例は54例(51%)と、その条件をみたさない51例(49%)で、側枝入口部の非圧着ストラットの頻度は、前者(6.7%)は後者(17.0%)に比べて有意に少なかった。リンク数の少ないステントを使用した場合、FCタイプになる頻度は85%でそれ以外の51%に比べ有意に少なく、リンク数の少ないステントの方が良かった。当院症例の37症例の治療慢性期の解析では、FCタイプで遠位セルを通過した例では慢性期には側枝入口部が拡大していたが、その条件を満たしていない多くの症例では面積は減少していた。前記の条件を実現できるような生体吸収スキャホールド(BRS)を独自に作成し、シリコンファントムモデルに留置実験を行った。プロトタイプでは側枝拡張を行ってもBRSがリコイルしてしまい、入口部にストラットが残存しているのが観察された。ポリマーの外周方向へのラジアルフォースを保つ必要があると考えられ、改良版を作成した。ストラットの伸展にラチェット構造を加えることによりラジアルフォースを保つことが出来、分岐角度が深くなっても十分な側枝拡張が確認された。バルーンカテーテルに搭載できるように改良することが次の課題としてあげられた。
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Int J Cardiovasc Imaging
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