重篤な心臓不整脈疾患「反復する心室頻拍・細動(電気的ストーム)」を再現したモデル動物を用いて、電気的ストームを光学マッピングで可視化するとともに、心筋組織の特性変化を解析した。このモデル動物は、心臓突然死をきたすQT延長症候群に類似した特徴をもつ。本研究により、トルサード・ド・ポアンツ型心室頻拍が病態特有な興奮伝播様式を示すこと、心室細動が渦巻き型興奮旋回波(マザーローター)によって維持されること、この病態に細胞内リン酸化酵素カルモジュリンキナーゼ(CaMKII)による電位依存性Naチャネルの機能異常が重要な役割を果たしていることが判明した。心室細動の成立に関わる重要な知見が得られた。
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