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2015 年度 実施状況報告書

健常住民における心血管疾患発症・死亡予測指標としての心電図の意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461083
研究機関岩手医科大学

研究代表者

田中 文隆  岩手医科大学, 医学部, 講師 (80405761)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード心電図 / 循環器疾患
研究実績の概要

岩手県北地域コホート研究参加者の12誘導心電図(ECG)所見をミネソタ・コード化し、将来の心血管疾患(CVD:心筋梗塞・突然死・脳卒中・心不全)の発症との関連を明らかにすることを目的とした。平成17年度に岩手県二戸医療圏で安静時ECGを含む健康診査を受け、岩手県北コホート研究参加に同意をした8,682名を研究対象(男性3,100名、女性5,582名、平均62歳)とした。追跡期間(約2.7年)に発症したCVD(心筋梗塞・突然死・脳卒中・心不全)発症と以下の①②③④との関連を、ECG正常者例と比較した。①心房細動・粗動(コード8-3)②完全右脚ブロック(コード7-2)③ST低下(コード4-1,4-2,4-3,4-4)④陰性T波(コード5-1,5-2)。その結果、ECG異常例(コード1-0以外)は6,078名(70%)に見られ、ECG正常例(コード1-0)と比較し、心房細動・粗動例、完全右脚ブロック例、ST低下例、及び陰性T波例でCVD発症回避率は低下した(すべて、p<0.05)。コックス比例ハザード回帰モデルを用いた年齢、性調節のSVD発症ハザード比は、心房細動・粗動例で約4倍、ST低下例で約3倍、陰性T波例で約2倍だった。以上からこれらのECG異常例ではCVDを発症し易いことが明らかになった。そしてCVD発症のリスク特定に地域健常住民の健康診査でのECG検査が有用であることも明らかになった。今後は、他のどのようなECG異常がリスクと関連するのか、また健診の必須項目である血圧、脂質などの因子や比較的新しい指標である高感度CRPなどのバイオマーカーとECG指標との組み合わせによるリスク集団の特定の可能性について明らかにすることで、ECG検査のスクリーニングとしての意義を体系的に明らかにできる事が想定される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

その他の異常ECG(左室肥大など)の解読が終了間近ではあるが、まだ完了しておらず、急いで解読を進める必要がある。従って追跡期間内のCVD発症データとECGデータとの突合せによる解析データセット作りが未完である。

今後の研究の推進方策

①ECG解読作業を急ぐ。
②ECGデータとCVD発症データ等で構成されたデータセット作成を直ちに行う。
③①②が完了次第ECG所見とCVD発症についての縦断解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度旅費として使用が少なかった為

次年度使用額の使用計画

平成28年度の旅費として使用予定

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Low-grade albuminuria and incidence of cardiovascular disease and all-cause mortality in nondiabetic and normotensive individuals.2016

    • 著者名/発表者名
      Tanaka F.
    • 雑誌名

      J Hypertens.

      巻: 34(3) ページ: 506-512

    • DOI

      10.1097/HJH.0000000000000809.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Sex-specific temporal trends in the incidence and prevalence of hospitalized patients with preserved versus reduced left ventricular ejection fraction heart failure: A Japanese community-wide study2015

    • 著者名/発表者名
      Miho Honma a,c, Fumitaka Tanaka a, Kenyu Sato a, Toshiyuki Onoda b, Toshiaki Sakai c, Osamu Nishiyama c, Tatsuya Matsumoto d, Masayuki Onodera d, Kiyomi Sakata b, Motoyuki Nakamura a,&#8270;, on behalf of Northern Iwate Heart Disease Registry Consortium
    • 雑誌名

      IJC Heart & Vasculature

      巻: 9 ページ: 15-21

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.ijcha.2015.07.006

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 急性心筋梗塞症の発症率は徐々に低下している:8年間の地域登録研究2016

    • 著者名/発表者名
      小島友里江、
    • 学会等名
      第80回日本循環器学会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2016-03-18 – 2016-03-20

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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