心拍動下、人工心肺下および低体温循環停止下の心臓大血管手術を比較し、1)人工心肺あるいは低体温循環停止下の心臓大血管手術後に高次脳機能障害が出現するかどうか、2)術後高次脳機能障害の出現と神経画像上の軽微な脳損傷の間に関連があるかどうかを検討し、心臓大血管手術後高次脳機能障害のメカニズムを解明した。高次機能障害に関しては、低体温循環停止群で術後に一過性の認知機能の低下を認めた。また拡散尖度画像:diffusion kurtosis imaging (DKI)を用いた解析によって、人工心肺下手術では術後に大脳白質に広汎な一過性拡散異常が生じるが、心拍動下手術では生じないことが明らかとなった。
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