研究課題
<目的> ADHF患者における入院時腎機能及び入院中の変化が臨床転帰に及ぼす影響について明らかにする。<方法> 2014年9月まで慶應義塾大学病院、榊原記念病院、杏林大学病院および聖路加国際病院に入院したADHF患者を前向きに登録した。入院時腎機能及びその変化が臨床転帰に及ぼす影響について検討した。急性期クレアチニン値0.3㎎/dl以上の上昇を腎機能悪化(WRF)と定義した。左室駆出率(LVEF)<40%を収縮不全(rEF)、LVEF>40%を収縮機能の保たれた心不全(pEF)と定義した。<結果> 1732例のADHF患者を解析対象とした。入院時eGFR中央値は49.5mL/min/m2であった。平均観察期間は559日であった。WRFはeGFR低値群に多かった。短期予後を観察したカプラン・マイアー生存曲線ではWRFは腎機能の変動がなかった群に比べて生存率が低値であった。院内死亡を従属変数にしたロジステイック解析では、強心薬使用とWRFは独立した予後予測因子となった。長期予後解析では、eGFR低値群は高値群に比べて死亡あるいは心不全による入院件数が多かった。この結果は、rEFでもpEFでも同様であった。Cox比例ハザード解析で、入院時eGFR低値が独立した予後予測因子となった。WRFは長期予後予測因子とはならなかった。<結論>4施設に入院した ADHF患者を前向きに登録したデータベースを用いて、入院時腎機能及びその変化が臨床転帰に及ぼす影響について検討した。急性期腎機能悪化は院内死亡の予測因子となったが、長期予後とは関連しなかった。一方、入院時eGFR低値は短期予後予測因子とはならないが、長期予後の予測因子となることが明らかとなった。
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