研究参画施設に入院した急性増悪期心不全(ADHF)患者を前向きに登録した。入院時腎機能及びその変化が臨床転帰に及ぼす影響と急性期血圧・急性期フロセミド静注の使用との関連について検討した。ADHF患者においてフロセミド静注は入院中の腎機能悪化および入院中死亡と関連するが、その意義は入院時eGFR値で異なることが明らかとなった。急性期利尿薬使用による血漿量の変化が腎機能に及ぼす影響は拡張不全例と収縮不全例で異なる。急性期腎機能悪化は院内死亡の予測因子となったが、長期予後とは関連しなかった。一方、入院時eGFR低値は短期予後予測因子とはならないが、長期予後の予測因子となることが明らかとなった。
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