研究課題/領域番号 |
26461091
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
網野 真理 東海大学, 医学部, 講師 (10407976)
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研究分担者 |
吉岡 公一郎 東海大学, 医学部, 准教授 (30246087)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 交感神経除神経 / MIBG / 致死性不整脈 / 交感神経増生 |
研究実績の概要 |
背景と目的)心臓交感神経除神経を可視化するにはmetaiodobenzylguanidine (123I-MIBG) が有用だが、過増生領域は反映されない。 本研究ではウサギ心臓交感神経除神経モデルを用いて、半減期の異なる2核種のMIBG (123I-MIBG, 125I-MIBG) による画像解析を行い、除神経重症度を検討する。 方法)ウサギ心表面フェノール塗布による除神経モデル(D-model: n=10) と生理的食塩水によるシャムオペモデル (SO-model: n=8) を作製した。 1カ月後、電気生理学検査による心室細動 (VF) 誘発試験 (SO-model 4, D-model 4)とMIBGによる除神経評価を行った。 結果)(1) 交感神経刺激下でのプログラム刺激によるVF 誘発率はSO-modelで31%, D-modelで63% と後者で有意に高率であった。(2) 123I-MIBG左室集積率は, SO-modelで94±3.9%, D-modelで67±27.9% と後者で有意に低下した。125I-MIBGの左室集積率はD-modelでのみ低下し(-11.6 %)、123I-MIBGでは描出されない125I-MIBGの取り込み低下が、左室前側壁における除神経部と健常部の境界領域 (Peri-denervated zone) で出現した。当該領域における除神経の程度は36~41%で、125I-MIBGは123I-MIBGよりも鋭敏に交感神経の障害を反映した。 まとめ)VF 易誘発性除神経モデルにおけるPeri-denervated zoneでは、125I-MIBGの集積低下に反映される交感神経障害が存在した。125I-MIBGは123I-MIBGでは描出し得ない除神経領域を可視化し、交感神経リモデリングの特性を明らかにする可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウサギのモデル作成および解析実験共に当初計画した通りに遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
免疫染色では厚さ10μmの凍結切片を用いて2種の交感神経線維の標識を行った。神経増生マーカーとしてanti-growth associated phosphoprotein 43抗体 (GAP43, Chemicom 1:1000) , 交感神経の局在マーカーとしてanti-tyrosine hydroxylase抗体 (TH, Chemicon 1:1000) を使用した。またギャップ結合のマーカーとしてanti-connexin 43 抗体 (Cx43) を用いた。今回の免疫染色予備実験では、GAP43切片に十分な染色強度が得られず、評価困難であった。これは電気生理学実験による心筋ダメージにより、十分な染色が出来なかったことが原因と類推する。よって今後は電気生理学実験は行わないウサギを用いて免疫染色を施行する。
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