たこつぼ心筋症(TCM)は、大災害や外科手術などの急激なストレス状態で左心室心尖部を中心とした収縮低下をきたす疾患である。我々はTCM患者17名(女性11名)と健常人5名(女性4名)についてストレス下のカテコラミンと自律神経反応について検討を行った。自律神経機能検査では、TCM患者は過呼吸後の収縮期血圧低下が強かったがバルサルバ比、洞性不整脈比は同等であった。精神的ストレス負荷前後でTCM患者は血漿ノルアドレナリン値の上昇が健常者と比して高い傾向にあった。 現時点で5名のTCM患者においてカテコラミン受容体遺伝子の変異が確認されており、引き続き残る臨床データと関連させた検討を進める方針である。
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