心臓植込み型デバイス症例は、災害時に心不全や不整脈死などに陥る可能性が高い。心臓植込み型デバイスには機器の状態や生体信号データが残されており、遠隔モニタリングにより発災前後の詳細を検討することができる。申請者らは心拍と呼吸の生体信号トレンド解析法を開発した。当院と被災地症例の発災前後の生体信号解析と転帰との関連調査を行うことにより、既報通り発災後3週間は心事故の発生危険度が高いことが示唆された。このため、医療者や災害時派遣医療チーム(DMAT)らには、避難所の心臓植込み型デバイス症例を同定し、デバイス内の生体信号データ確認を行うことにより、心不全や不整脈の確認を行うよう提案する。
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