研究課題
本研究は、肺動脈性肺高血圧症 (PAH)症例の肺血管障害や右心負荷の程度をFDG-PET/CTを用いて定量評価し、肺血管拡張療法の治療効果を肺血行動態も含めて評価する。肺血管障害や右心負荷の程度を非侵襲的に繰り返して定量評価することで、病勢を把握し、治療に反映させることを目的としている。平成27年度は、申請計画書に従ってPAH症例に肺血管拡張薬による治療を行い、薬効評価として肺血行動態を評価する時期にFDG-PET/CTを再検した。右心負荷として視覚的な右室FDG集積、また定量的な右室・左室のFDG集積比 (RV/LV SUV ratio)を用いて評価したところ、血行動態の改善に伴い視覚的に明らかな低下、定量的に右室・左室のFDG集積比が有意に低下しており、治療効果の指標になり得るものと考えられた。また、肺血管障害として肺野のFDG集積を静脈相のFDG集積で補正して検討した所、有意な変化は認められなかった。
2: おおむね順調に進展している
非肺高血圧症、肺高血圧症の登録とFDG-PET/CTの解析は、順調に研究が遂行できている。
治療前後の評価まで行えた症例をまとめ、右室・左室のFDG集積比や肺野のFDG集積について治療前と治療前後の変化にどのような因子やバイオマーカーが関連しているか検討する予定である。肺血管障害として肺野のFDG集積については、治療改善度により層別化し、再解析する予定である。
予定していたバイオマーカーの測定を次年度に延期したため。
次年度にバイオマーカーの測定に使用します。
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