研究実績の概要 |
「特発性拡張型心筋症における樹状細胞および成熟化の臨床的意義」の研究課題に関し、最終年度である平成29年度に研究代表者らは、引き続き当施設の拡張型心筋症データベースよび採取された心筋生検組織標本を用いて、病理学的検討を継続した。平成27年度に細胞外マトリックスを構成する糖蛋白、テネイシンC発現が拡張型心筋症の予後規定因子となることを解明(Eur J Heart Fail. 18:375-85, 2016)、平成28年度には浸潤する炎症性細胞、特にCD163で標識されるM2マクロファージが長期予後の悪化と関連することを明らかにした(Eur J Heart Fail. 19:490-498)が、樹状細胞の活性化に端を発する抗原提示の亢進の拡張型心筋症における病態的意義を掘り下げるべく、多施設での全国的レジストリーを組み、検体を集積した。本年度で約200例の研究データの登録および組織切片の集積を行い、CD3、CD68、CD163、CD209等の免疫染色を行った。現在集積したデータの解析を行っている。 これらの研究成果は海外および国内学会で発表し(American Heart Association Scientific Session 2017、日本循環器学会 2018、他)、さらに今後も広く論文等で発表する予定である。
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