これまでに我々は、内因性ナトリウム利尿ペプチド系を欠損したマウスが、授乳期に周産期心筋症様の心機能低下を伴う顕著な心肥大を呈することを見出した。本研究ではナトリウム利尿ペプチド系による授乳期心保護作用のメカニズムの解明と、周産期心筋症患者ゲノムを用いたナトリウム利尿ペプチド関連遺伝子の遺伝子多型解析を行った。その結果、授乳期のアルドステロンの過度の上昇が心肥大を惹起することが明らかとなり、かつ周産期心筋症患者では正常産婦に比し、ナトリウム利尿ペプチドクリアランス受容体遺伝子に遺伝子多型を有する割合が有意に多いことが明らかとなった。
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