研究課題/領域番号 |
26461105
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山岸 正和 金沢大学, 医学系, 教授 (70393238)
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研究分担者 |
坂田 憲治 金沢大学, 大学病院, 講師 (20456411)
吉田 昌平 金沢大学, 大学病院, 助教 (30623657)
森 雅之 金沢大学, 大学病院, 医員 (30707526)
羽尾 裕之 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (40393243)
中西 千明 金沢大学, 大学病院, 助教 (80623660)
川尻 剛照 金沢大学, 医学系, 准教授 (90345637)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 血管内皮前駆細胞 / 冠動脈ステント / 新生内膜 |
研究実績の概要 |
平成26年度研究実施計画は、以下2項目について行う予定であった。1.VEGF固定化ステント長期留置モデルの解析、2.長期留置モデルにおける病理学的検討と抗血小板薬の投与量および投与期間に関する検証。 PlatformⅠ(VEGFを直接ステント表面に固定)を用い、長期経過評価するため、6週間~6ヶ月モデルを作製中である。蛍光免疫染色を予定しており、サンプル作製完成後、同条件での評価が必要と考え、適宜切片にて保存している。一方、新生内膜の病理組織を評価するために、無処置ブタ冠動脈を用いて、免疫組織(KDR、CD34、factor8、フォン・ヴィルブランド因子、平滑筋アクチン、Ki-67など)の条件検討を行っている。抗体によっては、非特異的染色が強いものもあり、ブロッキングや抗体濃度、作用時間などの条件を変更し、評価を行っている。同時に、以前作製した、2日モデル、14日モデルでの切片を用いて染色条件の検討を行っている。 また基本実験として、ブタを用いた検討とともに、VEGF固定化ステントの有用性を、in vitroでの実験系を用いて検討した。ガラス器質にVEGFを固定化して、血管内皮細胞を培養し、細胞吸着および細胞増殖、さらに細胞内シグナル伝達について検討を加えた。VEGF固定化した条件が、フィブロネクチンや抗VEGF抗体を固定化した条件よりも、細胞吸着および細胞増殖が促進され、長期間シグナル伝達(Aktリン酸化)の活性化が確認された(J Tissue Sci Eng 2014;5:140)。この結果から、本研究課題であるVEGF固定化ステントの有用性が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ブタ冠動脈病理切片作製および染色条件のプロトコール作成に難渋してる。健常ブタ冠動脈を用いた蛍光免疫染色での問題点として、1.非特異的染色がある。2.自家蛍光が認められる。これらの条件検討に時間を必要としてしまった。同様に、ステント留置冠動脈をの病理切片を作製する方法においても、固定方法、切断方法、染色方法のプロトコール作成に難渋しており、慢性留置モデルが遅延してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
過去に、2日モデルと14日モデルにおいて、VEGF固定ステント留置の評価を行った結果、留置14日において、新生内膜の形成が確認されている。今後経時的変化の検討において、長期6か月モデルにて大きな差異が認められなかった場合には、経時的評価のポイントを割愛する(2か月、6か月程度など)ことも考慮する。 PlatformⅡに関しては、短期モデル(2日、14日モデル)の評価を行っておらず、急性期安全性を考慮するうえで、早期に確認が必要と考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者に配分した研究費が使用せず、残存した金額があります。その理由として、研究進行が遅延しており、ステント長期留置モデルの標本染色が施行されておらず、その分使用しませんでした。
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次年度使用額の使用計画 |
ステント長期留置モデルを作製後には、冠動脈病理切片の作製、免疫染色(1次抗体、2次抗体購入費など)に使用させていただく予定としています。
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