研究課題
平成26年度(初年度)(1)安定冠動脈疾患の経皮的冠動脈形成術の適応症例に対する術前の非造影T1強調核磁気共鳴画像法(MRI)にて、高輝度に認識される冠動脈硬化巣への同治療が 心筋障害を惹起する可能性があることを報告した(Asaumi Y et al. JACC cardiovasc imag 2014 in press)。またその一部症例より取得した組織標本より 脂質および炎症細胞に富む所見を認めていた(Asaumi Y et al. Circ J 2015; 79: 218-220)。また血管内画像診断法より取得した画像所見とT1強調画像との対比により 同撮像で高輝度冠動脈硬化巣が非常に脂質に富む成分が多いことが示唆された。(2)MRIによる不安定動脈硬化巣の描出法を確立するため、不安定動脈硬化巣を持つ大動物動物実験モデルの作成を試みている途中である。当年度において、高脂肪食および血管擦過モデルによる作成を試みたものの 表現系が不安定動脈硬化巣と類似していなかった。(3)不安定動脈硬化巣に定着する標識体の開発であるが 標識体の開発が出来たことから、今後小動物などを用いた 基礎的実験を行っていく。
2: おおむね順調に進展している
(1)初年度の研究にて 核磁気共鳴画像法により認識される 冠動脈硬化巣の臨床上の特性が 明らかすることが出来た。また部分的ではあるが その病理組織の一端を理解することが出来た。(2)不安定動脈硬化巣の特性を持つ動物実験モデルの確立であるが、初年度が過ぎた現時点では達成していない。
(1)非造影T1強調MRIで高危険度と認識される冠動脈硬化巣に対して 薬剤介入を行うことにより臨床経過の相違を検証していく。(2)また生体から冠動脈アテレクトミーなどで抽出される摘出物や、動物実験モデルやヒト剖検心などを用いて 画像所見と病理組織標本を対比することにより 臨床上MRIで高危険度と認識される冠動脈硬化巣の病理学的意義を検証する。(3)不安定動脈硬化巣に定着しやすい標識体の作成実験について 必要あれば 化学構造の変更なども検討していく。
消耗品の購入が 予想よりわずかであるが少なかったため。
本年度は 各種解析・論文報告に本年度余剰金を充てることとする。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Circulation Journal
巻: 79 ページ: 218-220
10.1253/circj.CJ-14-0897
JACC Cardiovascular Imaging
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http://www.ncvc.go.jp/pr/release/006864.html