研究課題
平成27年度 は冠動脈疾患における 血管内イメージングを用いた解析を行った。光干渉断層像を用いた解析では 冠動脈硬化巣に含まれる脂質量と関連していることが示唆された。加えて血管内視鏡上での所見からは血栓の関与は低いものと推察された。冠動脈硬化モデル動物の解析では 前年度と比較して 高齢大動物モデル動物が新たに2例追加された。冠動脈硬化の様式がこれまでの4例とは異なることから その機序について 平成28年に蓄積していく予定である。小動物を用いた新規動脈硬化集積体の作成実験に関しては、設計した集積体が動脈硬化巣に集積することが確認されなかった。
2: おおむね順調に進展している
核磁気共鳴画像法に基づいた冠動脈硬化巣の各種臨床像及びその薬剤介入硬化も含め捉えることができた。今後は組織学的検証について更なる標本の集積を図りその意義を検証する。機能的造影剤の基盤開発については遅れているものの 全体としては予定通りに進んでいる。
(1)核医学診断法を併用した核磁気共鳴画像法(MRI)を用いた冠動脈硬化巣評価法の意義及び冠動脈硬化進展機序解明:核医学診断法を併用することにより動脈硬化の進展過程における核磁気共鳴画像法の分子的機序の一端を組織所見、その他画像診断法と合わせ明らかにする。(2)ヒト・大型動物を用いた非造影T1強調MRIにおける高輝度動脈硬化巣の分子構成及びその機序解明:蓄積した標本を解析を行っていく。(3)非造影T1強調MRIを用いた高輝度冠動脈硬化巣の計測法の標準化:今後の普及にあたり簡便かつ再現性のある手法を開発する。
共同研究のための移動費が多く本年度は旅費の出費が多かった一方で、機能的造影剤の開発研究が予定より進捗しなかったことにより物品費使用が少なかったことため予定との差額を生じた。
本年度は冠動脈硬化進展機序の解明のために冠動脈CT解析を外部委託することを予定している。またヒトサンプルの集中解析のための抗体・物品購入が必要となってくると予想している。
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