研究課題/領域番号 |
26461122
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
久保田 功 山形大学, 医学部, 教授 (30161673)
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研究分担者 |
宍戸 哲郎 山形大学, 医学部, 助教 (60400545)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | HMGB1 / DNA障害 |
研究実績の概要 |
HMGB1の機能と心筋細胞障害の関連を検討した。アンジオテンシン II 刺激と心筋細胞のDNA障害の検討を行った。アンジオテンシン II 刺激によって、DNA障害の指標である γH2AXのリン酸化の亢進、ATMのリン酸化の亢進を認めた。SiRNAHMGB1により心筋細胞HMGB1の発現を抑制した場合、アンジオテンシン II による、γH2AXのリン酸化の亢進、ATMのリン酸化の亢進は有意に抑制されていたことからHMGB1の機能喪失がDNA障害の進展に関与することが明らかとなった。また、動物モデルでの評価のために、アンジオテンシン II 持続刺激による心肥大モデルを作成した。想定したいたように、アンジオテンシン II 持続刺激によって心肥大が出現したが、興味深いことに我々の実験条件では、左室短縮率の有意な低下を認めなかったが、超音波心臓図で得られる拡張指標 E/A の変化を認めた。心臓特異的HMGB1過剰発現マウスにアンジオテンシン II 持続刺激を行うと, 心肥大は抑制されるのみでなく、拡張指標の悪化が有意に抑制されていた。上述のDNA障害の検討を行うと、アンジオテンシン II 持続刺激によって出現していたDNA障害は, HMGB1過剰発現マウスで有意に抑制されていたことから、心筋細胞内のHMGB1が、アンジオテンシン II 刺激下におけるDNA障害を抑制することで心機能を保持していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HMGB1とDNA障害の関連を明らかにしつつある。詳細なメカニズムの解明としてATMとHMGB1の相互作用、Angiotensin II 刺激下におけるATMとHMGB1の相互作用の変化などの検討を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
ATMとHMGB1の作用部位や、Angiotensin II刺激による翻訳後修飾の影響を明らかにしていく。 心筋細胞、マウス心臓のみでなく、ヒト心筋生検での検討を追加して行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定されていた予算はほぼ使用したが、451円わずかに残金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度に消耗品購入に使用する予定である。
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