研究課題/領域番号 |
26461126
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
前嶋 康浩 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40401393)
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研究分担者 |
磯部 光章 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80176263)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 心筋炎 / 拡張型心筋症 / 制御性T細胞 / キナーゼ |
研究実績の概要 |
申請者らはin vitroキナーゼアッセイにてFoxp3がMst1によりリン酸化されることを確認し、さらに質量分析法を用いてFoxp3のMst1によるリン酸化部位を同定することができた。このMst1によるFoxp3のリン酸化部位を特異的に認識するリン酸化抗体(Rabbit polyclonal antibody)を作成した。このリン酸化抗体を用いて、内在性のMst1が実際にFoxp3をリン酸化することを確認した。 また、Mst1によるFoxp3のリン酸化が生体内の細胞機能に与える影響を検討するため、Mst1によるFoxp3のリン酸化部位をアラニンに変異させたリン酸化抵抗性のFoxp3変異体(A-変異体)、グルタミン酸に変異させた恒常的リン酸化模倣性のFoxp3変異体(E-変異体)、ならびに野生型Foxp3をコードしたレンチウイルスを作成した。そして、野生型ならびに変異体のFoxp3レンチウイルスをJurkat細胞に感染させて制御性T細胞に類似した表現型を有するT細胞に分化することを確認した。 7週齢の野生型BALB/cマウスに0.2mgのFreundアジュバントでエマルジョン化したαMHCペプチドを皮下注射し、マウスの実験的自己免疫性心筋炎モデルを作成した。8週間後に血圧・脈拍・心機能評価を行い屠殺し、心筋の病理学的変化につき免疫染色法などを用いて検討したところ、発症から8週間以上経過すると拡張型心筋症に類似した表現型を示すことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで、本研究費応募時の申請書に記載した研究計画通り順調に研究が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究費応募時の申請書の研究計画に記載した通り、今後は遺伝子改変動物を用いた研究を主体に行って行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究計画は平成26年度から平成28年度の3ヶ年計画であり、次年度である平成27年度は本研究計画の2年目にあたるため。
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次年度使用額の使用計画 |
応募時に記載した研究計画・方法に準じて、実験的自己免疫心筋炎における、Mst1 - Foxp3経路により制御されている因子の探索を通した自己免疫心筋炎の発症および拡張型心筋症への病状進展の機序の解明を行うために必要な研究資源を入手する目的で使用する。
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